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禁断症状。。。 [父の病気]


1日の22時半頃、病院から電話が掛かった。
どうしても家族と話がしたいと父が言うので、掛けたと言う。
眠れないから、薬(入眠剤)を出してくれるように頼んで欲しいという内容だったが、
先生の指示で、出せない事になっていると説明すると、
「分かった。オレに死ねって言ってるんだな」と怒ってしまった。

このセリフ・・・何度聞いても悲しいセリフだ。。。
父の為だと思ってやっている事が、本当に父の為になっているのか・・・と不安にさせる。

電話を掛けてきた看護士が、どうしましょうか・・・と聞くので、
水曜日(明日)は精神科の受診があったはずだから、
胃薬や消化剤を睡眠薬だといって渡す事は可能かどうか、聞いて欲しいと頼んだ。

しかし、偽薬すら、今の父には与えない方がいいのは分かっている。
本人が「睡眠薬」と思って飲む以上、身体がそのように反応してしまうのだ。
『病は気から』とよく言うが、鎮痛薬だと思って小麦粉を丸めた物を飲んだとしても、
不思議と痛みはなくなるという。
脳がそのように判断し、勘違いし、指令を出すのでそういう事が起こる。

父の場合は、睡眠薬を飲んでいなくても「飲んだ」と思う事で、
翌朝の残眠感や、記憶障害、意識のもうろう感が残る可能性がある。
この一週間、精神安定剤や入眠剤を断ってきた意味がなくなるのだ。

仕事を終えて会いに行ってみると、案の定、父は怒っていた。
「眠れない苦しみが、お前達に分かるか!」
「何故薬を出してくれないのだ!」
「どうせ苦しむのはオレ一人だ。お前達はオレに死ねと言っているのと同じだ!」
聞くに堪えられないほどの罵倒を浴びせる。。。

猫夜叉が反論し、宥めている間に、仔猫が看護師長から話を聞いた。
昨日の夜の当番医が脳神経外科の先生だったので、相談の上、
消化剤を軽い睡眠薬ですよと言って、服用させたそうだ。
それはいいとして、その結果どうなったのかと聞いてみると、
「夜間せん妄は相変わらずですので、それはどうしても治らないのかもしれませんね」と言う。

「あとで詳しくお話させて頂きます」と言う看護師長の元を離れ、父の所へ行くと、
猫夜叉と父の言い争いは、まだ続いていた。
せっかく、薬の害は本当に恐ろしいと、本人が自覚できるまでになっていたのに、
眠れない苛立ちと、睡眠を妨害しているのは仔猫たちだという被害妄想が重なって、
理性もぶっ飛んでいるような状態。。。

覚悟はしていたが、やはり現実の物となると、悲しくてやりきれなくなった。
猫夜叉が溜まりかねて、精神安定剤とアルコールのせいで死期を早めてしまった、
自分の父親の事を語り始めた。

義父はお酒好きだった。。。
色々なストレスから逃れるため、お酒を飲んだ。
実際それで体調を崩したこともあったので、禁酒しろとまでは強制できなかったが、
「飲み過ぎだけは注意しろ」と散々言っていたのに、聞こうとしなかった。
結果、浴びるほど飲んで熱い風呂に入ったのが原因と思われる「心不全」で、
あっけなく逝ってしまったのである。

当時は別所帯で住んでいたので、死に目にも会えなかった。。。
ただ唯一の救いは・・・浴びるほど飲んだその酒が、義父にとって、嬉しい酒だったと言う事だけ。
死に至る時義父は、きっと幸せだったに違いないと言う事だけ。。。

「自分にとって親父と呼べるのは、もうお義父さんしか居ないんだから・・・・
頼むから、うちの親父みたいな事はしないでくれ・・・・長生きして欲しい」
と訴えるうちに、猫夜叉の目から涙が溢れ出した。。。

その途端・・・父に理性が戻った。
興奮して、憮然とした表情をしていたのに、少し穏やかになって、
「もういい。その事はもう言うな。分かった。努力してみる」と。。。。

看護師長の話は、今日の精神科受診の結果を教えてくれる物だった。
今後、本人が切望した時のみ睡眠薬を処方する事。
薬(精神安定剤等)の効用は、まだ若干残っているようだが、
表情もしっかりしてきたし、会話も出来るようになっているのはいい傾向である事。
更に一週間、様子を見ましょうとの事だった。

夜間せん妄はまだ治っていないとの事だったが、
この一週間全体を見て、どうだったかと聞くと、
以前のような問題行動(他人の病室へ入る、トイレではない場所で放尿するなど)は、
見られなかったと言う。
ただ、昨日はまた他の病室へ入って行ってしまったと言うので、
それは睡眠薬を飲ませる前か、後かと聞くと、「後でした」と言う。

やっぱり・・・と思った。
例えそれが消化剤であっても、本人は睡眠薬と思って飲んでいるのだから、
以前のような状態に戻ってしまうと言うのは、有り得ることだ。。。
完全に「飲む」という行為そのものを止めて貰わなければ、父は同じ事の繰り返しをする事になる。

父が病室に戻ったので、看護師長にもう一度、本当に入眠剤は飲ませていないのかと聞き、
偽薬として飲ませている物は何なのか聞いた。
すると、「軽い消化剤のような物です」と言うので安心した。

それでも睡眠薬と同じような作用をする事や、今まで薬漬けだったのを急に止めさせた事で、
かえって不眠や夜間せん妄が起こる可能性がある事を言うと、
「そんな事があるんですかねぇ・・・脳が勘違いするとかって・・・」と言う。。。
・・・・・・・・・・・・( ̄-  ̄ ) ンー・・・・・・・
それに、「精神安定剤や睡眠薬をあんなに欲しがっているのに、
飲ませないのは可哀想だ」と言うので・・・呆れた。(ノ_-;)ハア…

普通は飲まなくても眠れるものだ。
人間は身体が疲れると、回復する為に眠りを要求する。
例え一日二日、眠れなくても死ぬわけではない。
仕事柄、精神安定剤を常用する事に違和感を感じないのかもしれないが、
この看護師長・・・大丈夫か?と思った。。。

その上、「お父様がこのように回復できたのは、やはり薬を止めたからでしょうか・・・・
薬がいけなかったんでしょうかねぇ・・・」という言葉には絶句ものだった。。。
看護師長がそのような事を軽はずみに言っていいものだろうか・・・
こちらが医療ミスで訴えを起こしたらどうするのだ・・・・(汗)


2005-11-02 23:20  nice!(1)  コメント(2) 
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のり巻サザエ

家族は真剣に大事な人一人を見ています。大変残念な事ですが、複数の患者を診ている医師、看護士には限界があるのでしょう。
私も子猫ちゃんと同じ思いをしたことが有ります。状況によっては医療ミスで訴えてたい!と思ったこともあります。
さすがにその時は、この病院にまかせておいていいのだろうかと思って、他を探しました。結局は父が転院したくないと言ったので、そのままになりましたが。
転院するのは、有る意味掛けに等しいことです。(母の入院の時にそう思いました)

しかし、こんなにも同じ思いをするのってなぜなのでしょう?
なぜ入院患者や見守る家族の不安を軽んじてしまう、今の医療があるのでしょう。。。
ぜひ、立場の違う方の意見を聞いてみたいものです。
by のり巻サザエ (2005-11-04 01:10) 

仔猫。

■サザエさん、こんばんわぁ~♪niceをありがとうございますw
病院によって基本理念が違うと思うので、ここがダメならあちらに・・・
と考えるのは、ごく自然な事だと思います。
一番いいのは、本当に家族や患者の事を理解してくれ、必要とあれば医師とも掛け合ってくれるような、そんな信頼できる看護師さんがいる病院かもしれませんね。

仔猫の友達には看護師が結構います。
最近話をする機会もありませんが(忙しいためw)、自分が憤りを感じてもどうにもならない事もある・・・長い物には巻かれろ的な考えがあるように思います。

しかし、この看護師長・・・本当に脳神経外科病棟の看護師長なのかと疑いたくなる事が多すぎで、困っております(苦笑)w
by 仔猫。 (2005-11-04 02:36) 

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