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初めての外泊Ⅱ [父の病気]


寝心地が悪いせいもあるが、父が今どうしているか気になって、
寝たか寝てないか、分からない状態でアラームが鳴り出した。

寝袋のお陰で、身体は汗をかくほどに温かだった。
外は寒い。。。
風邪をひかないように気をつけなくちゃ・・・・。

こっそりと家の裏側に回ってみたら、電気が点いている。
猫夜叉が小声で「起きてるよ」と言うので、
仔猫も覗いてみると、確かに・・・・

くしゃみが出そうな猫夜叉が、仔猫にあとを任せて車に戻ってしまったので、
とりあえず、またベットに入るだろうから、その時まで見ておこうと思った。

座椅子に座っていた父が立ち上がる・・・・
表情は・・・( ̄ヘ ̄;)ウーン普通・・・かなぁ・・・・
変な感じではない。

立ち上がって歩き出し、冷蔵庫に手を伸ばして・・・開けた。
しばらく眺めたあと扉を閉めて、今度はトイレのドアを開けた。
トイレに入ったようなので、窓際に寄って部屋の中の様子を探ると、
電気、テレビ、ファンヒーターが点きっ放しで、母は・・・寝ているようだ。

トイレから出てきた父は、また座椅子に座り・・・
すぐに立ち上がって、ベットに戻っていった。
起きだす様子も無いので、仔猫も車に戻った。

ウロウロすると言っても狭い家の中・・・
それに、長年住み慣れた家ならトイレの場所を間違える事もないだろうと考え、
一旦家に戻って暖かい服に着替えて、朝迎えに行く事にした。

しかし、冷蔵庫を開けた時はどうしようかと思った。
何かを口にするようなら、家に入って止めなければならなかった。

6時になって家を出た。
実家に着くと、父は仔猫が来たのも知らずに寝ていた。
母を起こし、仔猫が見ていない時の状況を聞くと、
仔猫達が帰ってから、一時間ぐらい寝ていたと言う。

そのあとは、病院でもよくやっていた、横になったかと思えばすぐに起きだすを繰り返し、
4時過ぎ頃、灯油が切れたので入れてくれと言って母を起こし、
入れてあげた後は、多分寝ていたのではないかと言う。
母も眠れなくて、寝不足になったとこぼしていた。

病院へ連れて行くのは仔猫たちで行くから、
出掛けた後はゆっくり眠るように言って、父を起こした。

すんなりと起きた父が、「どうしても病院へ行かなくてはいけないのか」と聞くので、
「まだ退院したわけぢゃ無いからね」と言うと、「それは分かっている」と言う。
病院へ戻らなくてはいけないのは分かっているが、
もうちょっと家にいる事は出来ないのか・・・という事らしい。

インスリン注射を自分でちゃんと出来るようになったら、もうちょっと長い時間、
外出と言うか、外泊が出来るようになると思うが、今はまだダメだと説明すると、
「時間、間に合うか?」と言って、慌てて支度を始めた。

腰が痛むので靴下だけは仔猫が履かせたが、あとの着替えは自分で出来た。
小さいボタンも留められた・・・という事は、指先に力が入るようになったという事か。
靴も、昨日の夜は自分で履けなかったのに、ちゃんと履く事が出来た。
今まで出来なかった事が、少しずつ、少しずつ出来るようになっている。

病院へ着くと、看護師が温かく迎えてくれた。
すぐに帰るつもりだったが、父がご飯を食べ終えるまで居てくれと言うので付き合うことにした。
食べる速度も速くなっている。
病棟で一番に食べ終える事ができた事を、素直に喜んでいる。

看護師が夜の事を聞きたいと言うので、大まかに話をすると、
仔猫たちが一緒に泊まらなかったのを不満に思ったのか、
「お母様に任せてばかりいると、お母様に負担が掛かって大変なので、
もうちょっと協力してあげて下さいね」と言った。

初めて見る看護師。。。
仔猫たちと話をすると言うことは、「現在」の父の担当なのだろう。
看護日誌を見て、患者の状況を把握しただけと思われる発言だ。
看護師長や主任看護師・・・それに、今まで父の担当になった事のある看護師なら、
絶対に言わないであろうセリフにムカついた。。。

仔猫たちは、家に帰って、のうのうと寝ていたわけではない。
睡眠時間だけを言えば、父や母より短いぐらいだ。
家が狭いと言う事と、以前と同じ状況にしてあげた方がいいだろうと思った。
それに、目が覚めた時に仔猫たちが居れば、おしゃべりをしたりして、
眠るという事が疎かになってはいけない・・・そう考えたのがいけなかったというのか・・・・。

父にまた夕方来るからと言って、とりあえず家に帰り、
やっとゆっくり眠る事ができた・・・と言っても3時間程度だった(涙)
たまの休みは忙しいのだ。。。

初めの2~3日は変化が無かったが、日に日に元の父に戻ってきている。
父の回復振りを見ていると、つくづく薬の害は恐ろしいと思う。
「闘病生活」とよく言うが、本人だけでなく、これは家族の闘いでもある。
病気と闘うのは勿論の事、看護師や医師・・・病院の看護体制とも闘う。。。

寝不足の頭で、そんな事を「ぼぉぉぉーーーっ」と考えた一日だった。


2005-10-30 23:10  nice!(2)  コメント(4) 
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コメント 4

ヴォイス

仔猫さんの細かな視点が、わたしにも手に取るようにわかります。
外泊大変でしたね。でも無事に事が進んでいるようです。
絶対治るの信念です。絶対。
by ヴォイス (2005-11-01 14:59) 

仔猫。

■ヴォイスくんさん、nice&コメントありがとうございますw
起きている時間が長かったからでしょうか・・・・
一日がとても長く感じました。
でも、あっという間の一日だったようにも感じます・・・。

薬が切れる・・・という事は、覚醒状態が長くなると言う事ですが、
反面、禁断症状・・・ぢゃないですけど、そういったものが出てくると思うので、これからが本当の「闘い」になるのではないかと思います。

自分で「睡眠薬依存症」と言っている父ですので、
「飲まないと眠れない」・・・そういう暗示が強いと思います。
眠れなければイライラがつのるでしょうし、家族にも「あたる」ようになるでしょう。

覚悟は出来ていますが、辛くて悲しい現実が、
すぐ目の前にきている気がします。
それを乗り越えさえすれば、心から笑える日が来ると思っています。

絶対、その日は来るのですっ! (⌒^⌒)b うん♪
by 仔猫。 (2005-11-02 01:39) 

のり巻サザエ

仔猫ちゃんと猫夜叉さんの行動力とお父様への愛情の深さには頭が下がります。思いはあってもやりきれない事って、いっぱいあるのに、それを実行に移すお二人に感動します。
「闘病生活」ほんとうに苦しく重い闘いですね。愚痴一つこぼさず(文句は言うけどネ)まっすぐに胸を張って、凛として戦う貴女はまるで聖戦士ジャンヌ・ダルクの様。
by のり巻サザエ (2005-11-02 02:51) 

仔猫。

■のり巻サザエさん、コメント&niceをありがとうございますw
子供を持たない仔猫ですが、今、痛切に、良い親子関係は自分(親が)で作るものだなぁ・・・と思うようになりました。

例えば・・・義母はよく、猫夜叉の事を仔猫に愚痴ります。
それを聞いている仔猫は、「自分でそういう風に育てたんでしょ?」って思います。

親子関係に「見返り」はないと思いますが・・・
(昔、仔猫が父に怒られたようにw)
無心の「愛」で育んだものは、それ以上に自分に返ってくるのではないかと・・・そんな気がします。
「して貰えない」のは、して貰えないように育てた・・・
「して貰える」のは、そういう良い親子関係を築く事ができた。
そう思うのです。

ジャンヌ・ダルク・・・映画がありましたねぇ・・・(*´ェ`*)ポッ
仔猫と猫夜叉、映画好きっていう共通点があるんですぅ♪
ブログに全然登場してないけどw<映画の話題

ジャンヌ・ダルクは神を信じていたかもしれませんが、
その前に、自分自身を信じていた人だと思います。
そういう意味で言えば、サザエさんもジャンヌ・ダルクのよう♪
by 仔猫。 (2005-11-03 01:35) 

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