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なみだ・・・ [父の病気]


昨日は猫夜叉と選んだパジャマのうち、仔猫が「父さん、こういうの好きよw」
と言って選んだ方を着て、「見立てがいい。オレの好みがよく分かっている」と喜んでいたと言う父。

仕事が終わってすぐに、猫夜叉と母を迎えに行き病院へ。
すると、不安そうな顔をしてベットに座っている父が居た。
「これはまた、何かあったな」と察して、「なんか、あったん?」と聞くと、
自分は消灯時間から朝までぐっすり眠ったと思っていたのに、
夜中にデイルームでグルグルと歩き回ったり、
話しかけても返事をしなかったりしたと聞かされたと言う。

「その上椅子に縛り付けられたんだ。それは覚えている」
と言うので、これは看護師さんに確かめるより他ないと判断して、
一足先に猫夜叉が看護師さんを呼びとめ、話を聞きにいった。

すると、何故今まで何も教えてくれなかったのか・・・・
最近また始まった事ではなく、ほとんど毎日のように夜中になると起きだして、
他の病室へ入って眠っている患者さんを驚かせたり、
着ている服を全部脱いでしまったり、子供がよくするように、
トイレを勘違いして、病室の壁に向かっておしっこをしてしまう時もあると言う。

精神安定剤を投与しているのだが、効かないらしい。
夜の勤務体制は3人で行うことが多く、正直、目が行き届かない。
おむつ交換などでナースステーションが留守になる時もあるので、
その間にウロウロされると困る・・・という訳で、しかたなく車椅子に乗ってもらって、
少し動けないようにさせて貰ったというのが、結局父の言う「椅子に縛り付けられた」なのだろう。

精神安定剤を投与しているのだから、眠くならないはずはない。
話し掛けても返事をしないのは、頭は眠っている状態だからかもしれない。
言ってみれば「夢遊病」のような感じなのだ。

そして朝のご飯の時間ぐらいになると「シャキッ」として、「普通」の父に戻るという。
リハビリの時間になると、ちゃんと準備をして待っていたり、しゃべる事も「普通」で、
挙動もおかしくないという。かといって、昼の間に眠っているわけではないらしい。

夜中に目が覚めた時に、カロリー制限している食事のせいで、
おなかが空いて眠れないのかもしれない。
下の売店で、シュガーレスのお菓子のような物を買っておいてくれないかと頼まれた。

問題なのは、その事全てを父が覚えていないと言う事なのだ。
看護師さんが言うには、今、神経内科の方から出ている薬が原因かもしれない。
処方されてまだ一週間も経っていないので、これらの状態を踏まえて、
薬を変えるか、量を加減するか判断されるであろうとの事だが、
見守っている看護師さんの苦労は大変なものだろう。。。

食事中の父のところへ戻り、母に「シュガーレスのおやつなら、
少しぐらいは食べてもいいらしいから、あとで売店に買いに行こうね」と、
詳しくは後で話すつもりで言った。

すると突然、父が嗚咽し始めた。。。。

猫夜叉と仔猫が看護師さんと話をしている間、ずっと気になっていたのだろう。
自分が情けなくてしょうがないのかもしれない。。。
泣いている父を見ていると、こっちまで悲しくなって・・・涙が出そうになった。。。

猫夜叉に父を頼んで、売店に行く途中、母に看護師さんから聞いた話をした。
母の口からため息がこぼれ、一言「情けないね・・・・」と言った。

でも、一番情けない思いをしているのは父だ。
自分では「何か」をしたはずなのに、思い出そうとしても思い出せない。
今までの自分ではない自分が、自分の中に居るのだ。
不安で押しつぶされそうになっているに違いない。

帰り際、不安そうな顔を崩さない父に「あまり気にしなさんな。気にするとまた眠れなくなるよw
今の状態は、何だかおかしいと思うかもしれないけど、それは薬のせいだから。
父さんが「おかしく」なったわけぢゃないんだから、気にしなさんな」と、
努めて笑顔で言ったつもりだが・・・心の中は今日の天気と同じ・・・雨模様だった。。。

猫夜叉と二人になった時、「自分は老い先短いのだろう」と言う父に対して猫夜叉が、
「なん、言いよるん。うちの親父が早く死んだ分、義父さんには長生きして貰わんといけん。
あと30年生きるとして、そのうち10年かけて病気を治すつもりで、あせらずゆっくりとね」
と言ったらしい。その言葉を聞いてまた泣いていたと言う父・・・・・・

今、こうしていても、病院の父はどうしているのだろうか・・・
おとなしく眠れているのだろうか・・・・と、気がかりでしょうがない・・・・。


2005-10-04 22:50  nice!(0)  コメント(2) 
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のり巻サザエ

嘘でいいから『お父様はちゃんと夜眠っている。全ては夢の出来事』と思ってしまうことはいけない事でしょうか。夜の行動が無意識であっても、ショックな気持ちだけは覚醒しているなんて悲し過ぎます。
健常者であれば、自分をいさめることでなんとかバランスをとることができます。
でもお父様には、今は無理をして欲しくは無いと思う気持ちでいっぱいです。
by のり巻サザエ (2005-10-06 00:33) 

仔猫。

看護師さんが、せめて「優しい嘘」を父に言ってくれていたら・・・
そう思ったこともあります。
家族にだけ、包み隠さず教えてくれればいいのです。

入院当初、父は病院に対して恐怖感を持っていました。
自分は何もしていないのに、ベットに縛り付けられたり、行動を制限されると。

しかし細切れの記憶は、「何もしていないのではない」と訴える。。。
追い討ちをかけるように、看護師さんから自分の行動を知らされる。
日記に書いたかどうか覚えてませんが、父の左足には、
何かで擦ったような傷があるのです。
それはたぶん、拘束帯をされた時に、父自身が足に巻かれたものを外そうとして出来た傷ではないかと推測しています。

そういう事実が記憶を確定し、やがて恐怖は、
自分自身に向けられていった。。。

サザエさん・・・ありがとうございます。
通りすがりにここを訪れて、今では仔猫とともに父を見守ってくれている。
本当に、感謝しています。

勝手なお願いですが、これからもよろしくお願いいたします。。。
by 仔猫。 (2005-10-06 01:48) 

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